ちらり
朝
長子を幼稚園に送り、
次子と家に帰る。
私のいつもの朝。
帰り道では、夫の事故現場が少し見えます。
道は違うけれど、視界に入ります。
月命日を誰かが覚えていてくれたのか
それとも時間があって行ってくれたのか
珍しく花が供えてあるのがちらりと見えました。
一年半。
何の区切りにもならないけれど
意識する。
私も花ぐらいは、と迷いましたがやっぱり行きませんでした。
そこには夫はいないし
いてほしくない。
ただ
事故の風化はいやだ。
でも私でなくてもできるし、
義兄に任せることになっているし。
兄弟なら責任もってくれるでしょう。
たぶん。
長子を送る時はいつも
ちらっと見てしまう。
いつもは一番効率の良い道だから通るけれど
本当は通りたくないので、
たまには遠回りして帰ろう。